2026.09.21
バレエを習う子どもが「行きたくない」と言った時に、私が考えること① 旭川・名寄

相談に来てくれたママは今にも泣きだしそうでした
発表会では目を輝かせて
「あれ踊りたい」
「大きくなったらママと踊る」
そんなことまで言っていたのに、レッスンになると、

「行かない」
「やらない」

ママから離れない。
あれこれ言い訳ばかり。

こうなると、お母さんは本当に悩みます。

「子育てを間違えたんでしょうか」

でも私は、こういう時に「バレエをやる、やらない」だけを見ません。

この子は今、何を求めているんだろう。
なぜママから離れられないんだろう。

そちらを考えます。

私は東京学芸大学で幼児教育を学びました。

そして長い間、たくさんの子どもたちを見てきました。

バレエ教師ですから、もちろんバレエは教えます。
でも、子どものクラスで私が育てたいのは、バレエが上手な子だけではありません。

バレエを使って、人を育てたい。

これはずっと変わらない私の考えです。

 

「絶対にバレエをやりなさいと思っているわけではないんです」

ママは言いました。

でも、踊ることは嫌いではないはず。
バレエの楽しさも知ってほしい。

そして何より、

「一生懸命頑張る、ということを覚えてほしい」

と。

その気持ちはよくわかります。

でも、私はこの子に今必要なのは「頑張ること」より先にあるんじゃないかな、と思いました。

「行きたくない」の中身は、バレエが嫌いとは限らない
小さな子どもが「行きたくない」と言った時、大人はつい、その言葉をそのまま受け取ります。

バレエが嫌なのかな。
先生が嫌なのかな。
難しいのかな。

もちろん、そういう場合もあります。

でも、全然違うこともあります。

ママの気持ちを自分に向けたくてやっていることもあるし、

「ママは本当に私のことを見てる?」

「何をしてもママは私からいなくならない?」

そんな確認をしていることもあります。

4歳なら、なおさらです。

そして子どもは、大人が思っている以上に親の不安を感じ取ります。

ママが、

「今日はできるかな」
「また泣かないかな」
「ちゃんと先生のところへ行けるかな」

と思っていれば、その緊張も伝わります。

そうすると、ますます離れられなくなる。

だから私は、無理に引きはがしません。

 

ひとつお願いしていることがあります。

レッスン中は、表情で指示を出さないこと。

これ、結構あるんです。

「先生のお話を聞いて」
「ちゃんとやって」
「そっちじゃないでしょ」

声には出していないけれど、全部ママの顔に書いてある(笑)。

すると子どもは、先生よりママを見るようになります。

ママの顔色を見る。

 

私はこれを続けてほしくないんです。

バレエのレッスンに来たら、先生と自分との関係の中で考える。

言われたことを理解して、自分でやってみる。

間違えたら、また考える。

その積み重ねが、自分で判断できる子を作っていくと思っています。

 

約束は、小さくても約束
もうひとつ、とても大事にしていることがあります。

約束です。

小さいから、仕方ない。
泣いたから仕方ない。
寝ちゃったから仕方ない。

でも子どもは、ちゃんと学習しています。

泣いたら変わった。
寝たらなくなった。
嫌だと言ったらやらなくて済んだ。

逆に、

「あとで遊ぼうね」

と言ったママが本当にあとで遊んでくれた。

「迎えに来るからね」

と言ったら、本当に来てくれた。

これもちゃんと覚えています。

だから私は、小さい時から「約束は守る」をとても大切にしています。

できない約束は、最初からしない。

親の都合で昨日はダメだったものが今日はOK、ということはしない。

子どもにとっては、そういう一つ一つが、

「この人の言うことは信じていい」

につながっていくからです。

 

まず4週間、「自立」はちょっと横に置いてみる
今回は、

「一人でできるように」
「早く離れられるように」

という目標を、いったん横に置いてみない?と話しました。

徹底的に安心させてみる。

求めてきた甘えは拒まない。

抱っこしてほしい。
膝に乗りたい。
くっつきたい。
一緒に寝たい。
手をつなぎたい。

そんな時に、

「もう4歳でしょ」

は言わない。

そして毎日、10分でも20分でもいいから、その子だけの時間を作る。

スマホも家事も置いて、その子がやりたい遊びを一緒にやる。

何かを教える時間ではないから、

「それ上手だね」
「すごいね」

と評価せず、ただ一緒に過ごす。

一緒に笑う。あなたが大好きだと伝える。

イベントのように大げさにやるのではなくて、筋トレみたいに毎日淡々と続ける。

私は、その方がいいと思っています。

甘えさせることと、言いなりになることは全然違う
ここは間違えないでほしいところです。

 

抱っこしながら、

「今日は買わないよ」

でいいんです。

「もっと遊びたい!」

と言われたら、

「そうだね。でも今日は帰るよ」

でいい。

ルールを決めるのは大人です。

やってはいけないのは、

「そんなこと言うならママ帰るからね」
「置いていくよ」
「もう知らない」

これは使わない。

親との関係がなくなる交換条件を罰に使ってほしくないんです。

子どもに必要なのは、

怒られてもママはいなくならない。
失敗してもいなくならない。
言うことを聞かなかったからといって、見捨てられるわけではない。

という安心です。

だから、こびる必要もないし、脅す必要もない。

私はここは、毅然としていていいと思っています。

 


もちろん親だって人間です。

忙しいし、疲れているし、何度言っても聞かなければ腹も立ちます。

つい、

「もう置いていくよ!」

と言ってしまう日だってあると思います。

だったら訂正すればいい。

「さっきはごめんね。ママ間違えた。怒っても、あなたを置いていったりはしないよ」

私は、親が子どもに謝ることは悪いことだと思っていません。

親が謝ったら権威がなくなる、なんてこともありません。

むしろ、子どもに謝り方を見せられます。

間違えることはある。
でも、間違えたら謝ればいい。
そして、叱られても関係はなくならない。

それを子どもが知ることの方が、ずっと大事です。

 

「自信のない子」という話をした時

「それ、多分私自身なんです」

とおっしゃいました。

人の目を気にしてしまう。

子どものためと言いながら、本当は自分がどう見られるかを気にしているのかもしれない。

仕事を理由に、ちゃんと子どもと向き合っていないのではないか。

母親としてダメなのではないか。

そんなふうに、ご自分を責めていました。

でも私は、子育てを間違えたなんて思いません。

一生懸命やってきたからこそ、こんなに悩むんだと思います。

全部やり直す必要なんてない。

もし今、何か変えたいと思っているのなら、

「この子を安心させる」

それだけ追加してみたらどうなるか?やってみない?

という話をしました。

 

 

私が小さい子をすぐレッスンに入れないことがある理由
う・ら・らでは、入会時期をはっきり年齢で区切ってはいません。

【おしめが取れて、先生のお話が聞けるようになったら】

と言っています。

早い子は2歳半から来ます。

うちの二人の子のおしめが取れたのは1歳10か月です。

私は断乳とおむつ外しは母子の最初の2つの山だと考えています。

お子さんを私に渡す前に、そこをしっかり超えてきてほしい。

 

 

子どもと先生との信頼関係
私は、生徒との信頼関係をとても大切にしています。

うちの生徒たちは、私がかなり厳しく叱っても、信じてくれます。

私が決してぶれず、気分で変わらないことを感じて育つからです。

それは、

「叱られた=先生に嫌われた」

ではないことを知っているからです。

できなくても関係は変わらない。
失敗しても関係は変わらない。
叱られても見捨てられない。

そして、私が約束したことは守る。

これは私が保護者の方にお話ししていることと同じです。

安心があるから、厳しくできる。

私はそう思っています。

 

 

私がバレエで育てたいもの
もちろん、バレエ教室ですからバレエは上手にします。

身体の仕組みを理解して、

「なぜできないのか」
「どうしたらできるのか」

を子ども自身がわかるように教えます。

根性だけで何百回もやらせる、という指導はしません。

でも、それだけではないんです。

挨拶をする。
人の話を聞く。
自分で考える。
失敗してももう一度やる。
自分と違う人を認める。
舞台に立つ責任を持つ。
仲間と一緒にひとつのものを作る。

そういうもの全部を含めて、私はバレエ教育だと思っています。

学校の先生から、

「う・ら・らの子たちは違いますね」

と言っていただくことがあります。

それが私はとても嬉しい。

バレエが上手になったと言われるのはもちろん嬉しいけれど、人として褒めてもらえるのは、もっと嬉しいんです。

バレエが上手になることだけが目的ではない
子どもたちは、いつかバレエを卒業します。

プロになる子もいます。
趣味として長く続ける子もいます。
途中で違う道を選ぶ子もいます。

それでいいと思っています。

でも、ここで身につけたものは、その先にも持っていってほしい。

自分で考える力。
努力する力。
人を信頼する力。
自分は大丈夫だと思える力。

私は、バレエにはそれを育てる力があると思っています。

だから、子どもが「バレエに行きたくない」と言った時も、

「どうしたらバレエに行かせられるか」

だけを考えません。

この子は今、何を伝えようとしているんだろう。

そこから考えます。

 

「うちの子、今どうしたらいいんだろう」

ということも、遠慮なくお話しください。

う・ら・ら クラシックバレエ研究所 旭川教室 名寄教室
旭川市2条通10丁目 上田ビル1階

名寄市西4条南5丁目3-1 三浦ハイヤー2F